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2020年路線価発表 2020年7月号
2020.10.29
国税庁は7月1日、相続税や贈与税の算定基準となる2020年
1月1日時点での路線価を発表しました。
全国約32万地点の基準宅地は19年比で1.6%上昇となりました。
再開発やインバウンドの効果で、大都市圏の上昇基調が地方都市に
も拡大の影響が出た結果の様です。
しかし、今年はコロナの影響で地価が大幅に下落する可能性がある
ことから、国税庁では、地価調査などを踏まえ10月以降、路線価の
減額修正を含む対応の要否を検討しています。
2020年分の路線価は全国平均で前年比1.6%上昇し、19年の
同1.3%上昇から伸び率が拡大しました。
前年比での上昇は5年連続です。
47都道府県のうち、前年より平均路線価が上昇したのは21
都道府県で、昨年の19都道府県から増えました。
上昇率は沖縄が最も高く、前年8.3%から10.5%に上げ幅が拡大
しています。続いて東京が5.0%、宮城・福岡が4.8%北海道が
3.7%でした。26県は下落しましたが、19年は27県でした
ので減少となり、うち19県は下げ幅が小さくなりました。
横ばいはありませんでした。
全国で最も高かったのは、中央区銀座5丁目の中央通りで1㎡
あたりで4,592万円、35年連続1位です。
去年に続き過去最高額を更新しております。ここには文具店
『鳩居堂(きゅうきょどう)』がございます。
また上昇率が最も高かったのは、台東区浅草の雷門通りで、403万
円と去年と比べて33.9%上昇しました。外国人観光客の増加が路
線価を押し上げた大きな理由とされています。その他上昇率では、
宇都宮で前年の2%から13.7%、横浜の13.3%から34.5%と大幅に
上昇しております。
宇都宮は駅前の再開発、横浜はJR横浜駅の開発がそれぞれ大幅
上昇の要因となります。
路線価はその年の1月1日時点の評価ですので、今回の発表には
コロナ禍の影響に関しては反映されていません。そこで国税庁は、
今年はコロナ禍の影響で地価が大幅に下落して路線価が地価を上
回った場合などには、対象とする地域を決めたうえで、路線価の
補正率などを定めることを検討しています。
補正率については、独自に外部業者に土地の評価を委託して調査
を実施するほか、国交省が四半期ごとに出している「地価LOO
Kレポート」などの動向などを踏まえながら補正し、10月以降に
も発表する予定です。