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消費者の住宅ローンアレルギーを解消する秘策 2019年7月号

2020.02.19

「住宅ローンは26年で借りて15年で完済」という事実
返済が30年、35年と続き、定年後までローンが付きまとう、何千万円も借りて、

本当に 返済していけるのか・・・・そんな不安からマイホーム取得に踏み切れ

ない人が少なく ないそうです。しかし、実際にマイホームを買った人たちの

資金計画をみるとゆとりの 返済で、当初の予定よりかなり早く完済している

人が多いようです。

 

中古住宅は取得資金の半分程度の自己資金を用意
このところ新築、中古住宅ともに価格が上昇していることもあって、「とて

も手が出ない」 「ローン負担が大変」と取得を躊躇ったり、あきらめたりする

人が増えているといわれる。
本当にそうなのでしょうか?
消費者の中には必要以上にローン負担を重く考えている人が少なくないようです。
国土交通省が毎年実施している「住宅市場動向調査」の最新版によると、消費者

の多くは かなり周到に自己資金を蓄えて、堅実な資金計画で取得していることが

わかります。 分譲マンションの平均取得価格は4,192万円で、そのうち1,796万円

の自己資金を用意して、 2,396万円のローンを組んでいる。自己資金割合は42.8%。

 

中古住宅となると、自己資金割合はさらに高くなり、中古一戸建ての取得価格は

2,857万円 で自己資金は1,318万円、自己資金比率は46.1%、中古マンションに至

っては、2,393万円のうち1,227万円の自己資金を用意、自己資金比率は51.3%と

半分を超えています。

 

中古一戸建てを買った人の平均の年間返済額は110.0万円で、年収に占める年間

返済額を意味 する返済負担率は17.7%。中古マンションだとさらに自己資金が増

えるので、年間返済額は96.4万円で、返済負担率は15.6%まで下がります。
銀行の審査基準では、返済負担率35%までokが普通なので、この資金計画なら

かなりゆとりを持って返済できるはずです。

 

早目の繰上返済などで完済までの年月を大幅短縮
これだけ余裕のある資金計画だから、住宅ローン返済がありながらも、着実に

貯蓄を進めて いる人が多いようです。万一のケガや病気、リストラなどに備え

て一定の手元資金は残しておく必要がありますが、それ以上の部分は住宅ローン

の繰上返済に回す人が多いようです。
住宅ローンは約定どおりに返済すると同時に、残高の一部または全額を繰り上

げて返済することができます。その繰上返済する資金は、すべて元金に充当され

るので、その分、残りの 返済期間が短くなります。
金利や返済期間などの条件にもよりますが、100万円の繰上返済で2年程度期間を

短縮できることがあります。これを繰り返していけば、当初は30年返済でローン

を組んでいても、結果的に25年、20年で完済できるようになります。
住宅金融支援機構の調査によると、借入時の平均返済期間は26.4年ですが、完済

までの経過年数の平均は15.2年となっていおり、当初の予定より10年以上も早く

返済を終えています。

この完済債権のなかには、借換えや買換えなどによって、それまでのローンを一括

返済して新たにローンを組んだ人も含まれますが、それにしても皆さん頑張って、

早々に完済しているのは間違いないようです。