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不動産業界のIT化 2018年4月号
2018.10.12
近年のIT業界の進歩には驚く事が多いです。私たちの日常生活にも
かかせないものとなってきています。
不動産業界にもそんなIT化の波が来ています。
不動産では宅地建物取引士が賃借人に対し、重要事項説明書を交付し、
宅地建物取引士自らが対面で説明を行わなければならないことになっ
ています。 しかし、2013年(平成25年)に策定された「IT利活用の
裾野拡大のための規制制度改革集中アクションプラン」においてインタ
ーネット等を利用した対面以外の方法による重要事項説明(IT重説)
について、具体的な手法や課題への対応策に関する検討 行われていました。
その後2017年10月、テレビ会議などのITを活用して重要事項説明を行う
IT重説が本格的に解禁となりました。
解禁とはなりましたがIT重説でも書面は交付し、郵送等で事前に賃借人
の手元に全ての書類が整っている事が条件となっています。
パソコンやテレビなどの端末を通じて説明と質疑応答を行い、来店の手間
や交通費がかからないというメリットもお客様には好評のようです。
また有料のテレビ会議システムですと録音・録画機能もついているものも
あり取引の安全性の向上にも繋がるそうです。
また、不動産情報サイトでは内見もカメラや動画を使ったオンライン内見
まで登場し、不動産会社へ訪問しなくとも契約出来るようになってきてい
ます。さらに内見だけではなく、電子署名による決済が可能となる事で
ますます不動産会社へ訪問頻度は低くなってきます。
社会実験が実施された際は1,071件のうち賃貸取引が1,069件を占め、法人
間売買取引はわずか2件です。
この2件はいずれも売主・買主の双方が宅地建物取引業者でした。
今後は売買にもこのIT重説が適応できる時代となってくるでしょう。
不動産に限らずあらゆる場面でIT化を避けることはできないのが時代の
流れです。10年後、20年後を考えれば、売買取引についても重説だけで
なく契約や決済、司法書士への登記申請依頼などもオンラインによる電子
署名での手続きが可能になってくると思います。
技術進歩や汎用化により、現在とは大きく異なるシステムが主流になって
くるはずです。われわれ不動産業界も大きく変わってきています。